営農通信バックナンバー

2026.01.21

ミニトマト

【八街農場】八街農場10~12月の振り返り (ミニトマト)

〇はじめに


新年を迎え、栽培期間も残り半年となりました。

ここまでの栽培状況はいかがだったでしょうか?

昨年後半は関東では記録的な日照不足が発生するなど栽培管理が難しい年でもありました。

今月号では、1012月の振り返り、次号で低日射期に講じた対策についてご紹介します。


〇10~12月の振り返り


1)タバココナジラミの発生


毎週頭にコナジラミの発生数をモニタリングし、週末に農薬散布を行いました。

気門封鎖剤を主に散布し、比較的発生数の少ない場合は2週に1度の頻度で散布しました。

農薬散布は、農薬代と労働者の時間拘束によるコストがかかります。

より効果的な農薬を選定し、散布回数を減らすのが理想です。


↑黄色粘着シート設置の様子



↑発生数の推移グラフ。


昨シーズンと比較すると、少ない個体数を維持できています。

毎年春先には個体数の増加が予想されるため、早めの対策を行いましょう。

 

2)トマト黄化葉巻病の対策


感染株は伐採し、樹勢の強い隣の株から増枝を行いました、

加えて、脇芽から増やした挿し苗や、新たなプラグ苗を購入、補植を行い、全体の株数を補い、減収を抑制しています。

 

また、今シーズンより一部でTY品種を導入しております。

トマト黄化葉巻病に耐性のあるTY品種については、伐採を行わず収量を確保しています。

 

これらの取組の詳細は過去の記事にも掲載しています。併せてご覧ください。


・減収を食い止める!黄化葉巻病発生後の対策 (ミニトマト)

 https://www.sedia-green.co.jp/column/detail/19112.html

・今作スタート!八街農場の新たな取り組みをご紹介します!

 https://www.sedia-green.co.jp/column/detail/20273.html


◆TY品種のメリット・デメリットについて


・メリット

耐病性があるため、安定的な収量が見込まれます。


・デメリット

感染しないというわけではないため、病徴が現れなくても潜在感染している場合があります。

他の株への感染源になり得るため、タバココナジラミの対策は必須です。

また、TY品種は総じて草勢が強めなものが多いため、肥料切れにならないよう注意が必要です。


3)微量要素欠乏


11月時点では品種により、生長点付近の葉色が極端に淡い株が多発しました。

また、葉も薄くペラペラの状態でした。



↑上位葉~生長点の葉色が淡い様子。    ↑葉が薄くペラペラな様子。

これらは植物に必要な微量要素が欠乏しているため起こります。

 

◆微量要素欠乏となった要因


・天候的な要因

2025年の10月は関東で曇天が続き、記録的な日照不足でした。

それに伴い光合成量が減り、根からの水分吸収量も減少したために微量要素欠乏が起きたものだと推測されます。



202510月の日射量

 

・灌水制御による要因


排液率30%前後を維持していましたが、品種によっては根張りが悪いものがありました。

培地を確認すると、夕方の時点でかなり湿っぽく水分を多量に含んでいました。

夕方に培地が湿っていると、根域が一晩中多湿の状態となってしまいます。

根が酸欠となり、根傷みの原因となり、根張りも悪くなります。

培地によって特性は様々ですが、八街農場で使用している培地は保水性が高いため、

1520%を維持するように灌水設定を変更しました。

培地内の根張りの様子は定期的に確認し、過灌水にならないように注意しましょう。


◆微量要素欠乏への対策


対策として、1週間に1度の定期的な葉面散布を実施しました。

葉面散布は葉に直接養分を施肥するため、各欠乏症や根域の改善に補助的に使用します。

※養液栽培は土耕栽培と違い、余って土壌に滴った葉面散布剤が根から吸収されるということがなく、無駄が出やすいです。

そのため散布スピードや液肥の作成量には注意しましょう。


〇おわりに


10~12月はだんだんと日射量が低下していく時期のため、過灌水による根傷みや微量要素の欠乏症等、

様々な問題が発生しがちです。

普段から注意深く樹を観察し、異常があれば施肥設計や灌水設定を都度見直していくようにしましょう。

次号では、八街農場で講じた低日射期への対応についてご紹介します。