モデル農場見学会バックナンバー
- 2025.01.09
トマト
熊本県
モデル農場見学会終了レポート 有限会社蘇鉄園芸 様
美味しいトマトを作り続ける 「商品が営業マン」 になる販売戦略
12月19日(木) 16:00~17:00
◆蘇鉄園芸さんのこだわりと歴史
熊本県玉名市横島町に位置する蘇鉄園芸は、蘇鉄国光さんのもとでトマト栽培に取り組んでいます。その苗字の由来は江戸時代後期に遡り、関取として「蘇鉄島」という四股名を持っていた先祖に由来します。

蘇鉄さんが農業を始めてから約40年以上が経過しており、先代から続く農業の伝統を引き継ぎつつ、自らの工夫を重ねています。
◆ 栽培面積と品種紹介
蘇鉄さんが家業を引き継いだ時の栽培面積は約40a。その後、栽培規模を拡大し、現在では1.5ha(大玉トマト140a、ミニトマト10a)のハウス栽培を展開しています。
栽培品種は大玉トマトとミニトマトを合わせて計11品種類栽培しています。『お客様が喜ぶトマト』を目指した結果このようになりました。
大玉トマトは、「ハウス桃太郎」・「桃太郎」・「TTM-179」の計3品種栽培しています。
桃太郎系の品種は味の良さが特徴で、高品質なトマトを提供するためにこの品種を選んでいます。更に「TTM-179」は桃太郎系の品種の中でも秀品率が高く昨年より試験栽培を行っているそうです。
ミニトマトは「トスカーナバイオレット」・「イエローアイコ」・「アイコ」・「ピンキー」・「千果」・「オレンジ千果」・「サングリーン」・「ピッコラカナリア」の計8品種栽培しています。
カラフルな色合いの品種をそろえることにより、飲食店が求めやすくしています。
こうしたお客様にとって何が良いトマトなのか考えた品種選定が、農業経営を支える基盤となっています。
◆ 栽培のこだわりと美味しさ重視の土づくり
蘇鉄園芸さんでは、「土づくり」を最優先しております。化学肥料を使用して栽培すると、苦みと酸味が出てしまうと感じており、先代の頃から堆肥を利用した土壌改良を行い、現在もその方法を継続しています。
さらに、土壌中の微生物を増やすために、水張りと代かきのみの土壌消毒法を採用しています。一般的な薬剤消毒や太陽熱消毒では、土壌中の微生物まで死滅してしまうので使用していません。土壌中の微生物を増やすことで、植物病原菌の増殖抑制だけでなく、土壌有機物の分解を促し、肥沃度を向上させているとのことです。
また、水に酸素ナノバブル(直径が1μm未満の超微細な気泡)を発生させる装置を導入しています。酸素ナノバブル水は、肥料の吸収量を高めたり、光合成の促進をしたりと多くの利点があります。しかし、ナノバブル水の高い肥料の吸収性から糖度の低下に繋がる場合があるためトマトが着果し始めると使用しないようにするなど工夫をしています。
このようにして、品質と味にこだわった栽培方法と美味しさ重視の土づくりを実践しています。

◆ 糖度測定による品質の均一化と向上
蘇鉄園芸のトマトの品質の特長は、「糖度」に基づいて明確な基準で分類されている点です。5年前に導入した光センサーによる糖度計測機によって、糖度の測定を行っています。
この糖度計測器は、異なる波長の光を果物に照射し、吸収と反射の特性を解析することで糖分の量を推測します。
特徴として、簡単操作で即時測定が可能・精度の高い測定結果・測定対象の保存性へのメリット等があります。
糖度による仕分けを行うようになってから箱の中での品質のばらつきがなくなり、顧客満足度が向上し、販売先からも高い支持を受けているそうです。

◆ 今回のモデル農場見学会まとめ
蘇鉄園芸は、プロの農家としてプライドを持ち、高品質なトマトの生産と販売に取り組まれています。糖度測定や土づくりなどのこだわりを通じて、顧客満足度の向上と農業経営の持続可能性を両立し、これからも消費者に喜ばれる農産物を提供していく姿勢を感じることが出来ました。
◆アグリカルチャークラブから
有限会社蘇鉄園芸様の実践例を参考に、自らの農業経営を振り返ってみてはいかがでしょうか。「見える化」を導入することで、新たな発見や改善点が必ず見つかります。
アーカイブ動画はこちら(https://youtu.be/3TMY3SgGRfE)
次回の農場見学会もぜひお楽しみに!

