モデル農場見学会バックナンバー
- 2019.08.23
トマト
宮城県
農業を学ぶ旅 終了レポート 株式会社イグナルファーム大郷様
2019年8月23日(金)開催しましたモデル農場見学会の様子をお伝えします。
~ 災害に負けない強い農業 ~
2011年の大震災ですべてを失ったところから再スタート。
阿部さんは仲間と共に会社を立ち上げ、大郷町の誘致事業でミニトマト栽培を新たに始められました。
自社開発の養液栽培システムや環境制御システムの活用により、肉厚で糖度が高い高品質トマトの安定生産に成功。
また後継者の担い手育成に尽力されるなど、地域の活性化や農業の未来を見据えた取り組みにも注力されています。

農場概要
株式会社イグナルファーム大郷
場所:宮城県黒川郡大郷町大松町
役員:代表取締役 阿部 聡 ・ 常務取締役 星名 大地
設立年月日:2017年10月
事業内容:ミニトマト、長ネギ生産及び販売
資本金:300万円
従業員:19名(うち役員2名)
ハウス面積:1ha(ミニトマト栽培施設) 2ha(長ネギ路地栽培)
鉄骨ダッチライト型ハウス(渡辺パイプ(株)社製 WFC型ハウス):間口9m×11連棟×奥行100m 軒高5mハイワイヤー方式
自社開発トマト養液栽培システム(ヤシガラ栽培システム)
主な取引先:ローソン、コストコ、イオン、イトーヨーカドー・ヨークベニマル、西友など
出資者:(株)イグナルファーム100%

営農のこだわり
【栽培品種】
長期取りで安定供給が可能な品種「キャロルクイーン」を9割栽培。着果性がよく、多収で、夏場の関東方面の需要も多い。

【環境制御】
潅水システムは、日射比例制御に加え、土壌水分量や排液量を測定し、排液率から適正な給液量を調整。

【地域活性化】
独立したばかりの営農家や地元農業者とパートナーとして生産協力するなど、地元農業の活性化を図られている。

阿部さんの考えるひとつ先の農場づくり!
独自のミニトマト養液栽培技術と環境制御で安定生産。さらに若い担い手を育成し、未来へとつなぎます。
「大切なのは、食・人・環境すべてが良くなることです!」
ミニトマトの肉厚の食感と高糖度を維持するため、ハウス内環境や潅水管理を徹底。目標の温度や湿度、炭酸ガス濃度及び日射量になるよう、すべての機器が目標値に向かって動作する。ミニトマトは収穫のタイミングで食味が変わるため、なるべく全体が赤く色づいた状態で収穫している。
養液コントロールは一回の施肥に必要なECを調整した養液をあらかじめ作成。その後ベッドへ施肥するタイミングが来たら潅水を開始する。ベンチ1列あたり0.1mピッチ1本の点滴チューブで潅水。

高軒高の鉄骨ダッチライト型ハウス
独自の栽培ベンチを採用し、土壌病害を回避するとともに、1株あたりの培地容量を一般的な栽培の約3倍に根がのびのびと育つように工夫した。栽培ベッドは300×300mm、深さ300mmもあるオリジナル発砲スチロールベッドを採用。

成功の秘訣は・・・ズバリ!「差別化」にあり!
【出荷時期で差別化】
生産が難しいとされる9~11月の出荷(7、8月に着果)に挑戦。高軒高ハウスによる換気、ミスト設備、カーテン設備及び循環扇を整え、さらにミニトマトの播種時期を工夫することによって、夏越しのミニトマト栽培の安定生産に成功!

【安心安全で差別化】
イグナルファーム大郷はグローバルGAPを取得、ローソンファームにも認証されています。GAPを維持するのはとても労力が必要となるものの、「減農薬=高付加価値」は大きなメリット。GAP獲得により商品の差別化を図り、販売力を促進!

さらなる試練を乗り越えて
令和元年10月の台風19号による浸水被害で、イグナルファーム大郷さんの農場は大きな被害に見舞われました。阿部さんは3度目の再起に向けて、動き出しています。
アグリカルチャークラブは、イグナルファーム大郷さんを応援しています。


