営農通信バックナンバー

2026.10.01

ミニトマト

【八街農場】 2026シーズンの新たな取り組み (ミニトマト)

〇はじめに


暑さも徐々に和らぎ、秋らしい気候となってきました。

八街農場では定植を終えて約2カ月が経とうとしていますが、株が2m近くまで生長し、収穫できる株も少しずつ増えてきています。

今回は、2026シーズンで新たに実施した取り組みについてご紹介します。


〇2026 年シーズンの新たな取り組み


◆高温対策

2026シーズンでは高温期における着果不良・徒長・作業効率の低下を防ぐため、2つのアプローチを実施しました。


1. 外気導入システム:

暖房機の吸気口にダクト・フィルムを設置し、外気を直接ハウス内に取り込みます。

理想はハウス内気温=外気温です。


↑暖房機の周囲をビニールで被覆した様子

 

2. 屋根用遮熱剤(トランスパー)塗布:

屋根用遮熱剤は、可視光線を維持しつつ、赤外線(熱線)を反射します。

これにより、過度な遮光による徒長を防ぎつつ、ハウス内の温度上昇を抑制します。

八街農場では、外気温がピークに達する8月前に塗布を行いました。


↑トランスパー塗布中と塗布後の様子

遮熱剤を散布すると赤外線付近の波長の光を反射するため右の写真のように屋根が薄い赤色に見えます。

※屋根の上で作業を行う際は、転倒・転落のないよう十分に気を付けましょう。

 

また、夏場の過度な遮光は徒長を促し、管理作業の遅れも招いてしまいます。

暑さ対策をしっかりと行い、作業者にも植物にも適切な環境を維持できるようにしました。

 

※日射量が徐々に減少してくる時期には除去剤を散布し、厳寒期でもハウス内が十分に暖まるように準備します。

八街農場ではスディラック社の「トップクリア」を散布しました。

降雨予想の1~3日前に除去剤の散布を行いましょう。



↑スディラック社「トップクリア」


◆ 天敵導入試験


トマト黄化葉巻病の多発は、収量の減少に直結します。

黄化葉巻病の蔓延を防ぐには、媒介するタバココナジラミをハウス内に侵入させない・増殖させないことが一番です。

しかし、殺虫剤の散布も農薬代や人件費等でコストとなり、作業者の立ち入りも制限されるため、

高頻度の散布は現実的ではありません。

 

そこで、2026シーズンより、一部の区画で天敵の導入を行いました。

天敵とは、害虫を捕食する生物のことで、タバココナジラミの天敵の一つにタバコカスミカメが挙げられます。

タバコカスミカメは、カメムシ目カスミカメムシ科の昆虫で、西日本では野外に多く生息しています。

広食性で、タバココナジラミの発生初期時にハウス内に放飼することで、

タバココナジラミの成虫や幼虫を探索し、大量に補植してくれます。


↑タバコカスミカメ。成虫の体長は3.0~3.5mm。生育適温は25~30℃

(https://www.agrisect.com/134333.html)


また、天敵導入と同時にハウス内にバンカー植物も設置しました。

バンカー植物とは、天敵にとっての餌や隠れ家となる植物のことです。

タバコカスミカメのバンカー植物には、クレオメやゴマが挙げられます。                          

八街農場では夏の間にクレオメを播種し、定植後の天敵導入に間に合うよう設置しました。



(左上)培地上に設置したクレオメの写真

(右上)タバコカスミカメ(アグリセクト社「バコトップ」)

(右下)放飼後、クレオメの葉の裏で確認されたタバコカスミカメ

 

クレオメ設置後、タバコカスミカメを1頭/2株の割合で放飼しました。

放飼後は、タバコカスミカメに影響のない農薬を選定し、ローテーションを組んでおります。

 

試験導入のため、タバココナジラミの防除は化学農薬の散布を主軸に、天敵利用は補助的な役割として、

通年での散布回数を減らしていくのが理想です。


〇おわりに


八街農場では前作の反省を基に、更なる増収へのアプローチをかけました。

適切な時期に適切な取り組みができるよう、早めの計画を立てましょう。