営農通信バックナンバー
- 2025.11.04
ミニトマト
【八街農場】八街農場でのマルハナバチ導入時期の検証結果報告 (ミニトマト)
〇はじめに
徐々に気温も低下し、秋らしい気候となってきました。
八街農場でもマルハナバチの活動適温を迎え、9月よりホルモン処理からマルハナバチによる受粉へと移行しました。
今回は、八街農場のホルモン処理からマルハナバチへの切り替えタイミングの検討結果をご報告します。
◆マルハナバチの特性
マルハナバチは、花蜜を持たないナス科植物へも積極的に訪花活動を行う特性があります。
また、マルハナバチの生育適温は17~28℃であり、適温外の温度条件下では訪花活動は低下してしまいます。
◆花粉稔性
花粉稔性とは、受精能力のある花粉を作ることができる性質のことです。
トマトの花粉は25℃を超えると稔性が低下しはじめ、30℃以上になると極端に低下します。
このため、夏場は仮にマルハナバチを放飼できたとしても花粉稔性が低下しているため、
ホルモン処理による着果促進が必須となっています。
〇作型に起因する作業遅れ
まず前提として、八街農場では長期多段栽培を採用しています。
8月頭に定植し、9月の中旬頃には収穫が始まります。
この時期はホルモン処理と収穫を並行して行うために大きく作業負荷がかかり、
誘引・葉かき等の作業遅れを招く要因となっています。
作業効率の観点から、適温を迎える頃にはホルモン処理からマルハナバチへ移行する必要があります。
〇昨シーズンの反省
昨シーズンは、9月下旬の日平均気温の低下と同時にマルハナバチに移行しました。
作業遅れを鑑み、導入と同時にホルモン処理を止めた結果、着果不良が多発しました。
それにより、10月後半~11月前半の収量不足を招きました。


昨シーズンの反省を踏まえ、9月下旬のマルハナバチ導入後もホルモン処理を継続しました。
各品種でホルモンを処理しない株を設け、マルハナバチの訪花や受粉による着果を定期的に確認しました。

※バイトマークとは?
マルハナバチが受粉する際につく咬み痕。マルハナバチが訪花した目印となる。
マルハナバチ放飼後に開花した花房に着果が確認できれば、その品種でのホルモン処理を止め、
マルハナバチによる受粉のみに移行します。
これにより、切り替え直後の着果不良を避けることができます。
ホルモン処理は作業負荷が大きく、他の管理作業にかける時間を圧迫させてしまいます。

↑ホルモン処理の無処理区の花房が着果した様子。
根本から順番に結実が確認できればその品種はホルモン処理をストップ。
マルハナバチの導入と、ホルモン処理終了のタイミングを誤ると、序盤の収量に大きく影響してしまいます。
安定した収量を確保するために、この切り替えのタイミングは重要です。
注意深く品種ごとに観察をして、タイミングを見極めていきましょう。

