営農通信バックナンバー
- 2025.07.27
イチゴ
【羽生農場】今作のイチゴ栽培について総括(イチゴ)
今期の栽培を終えられたイチゴ農家の皆さま、今シーズンの栽培状況はいかがでしたでしょうか?
げんき農場では、6月中旬に今作のイチゴ栽培を終了いたしました。
収量・売上共、目標の6t/反・1,000万円/反を達成できました。
規模を拡大しながらも成功できた要因として、以下の二点があげられます。
①
クリスマスシーズンにおける高単価販売の実現
②
農場における販売体制の見直し及び整備
■ 栽培についての振り返り
・栽培について


ご存じの通り、イチゴはクリスマスシーズンに高単価で販売できます。しかし、2023年の前作では猛暑の影響で花芽の形成が遅れ、クリスマスシーズンの出荷に間に合いませんでした。
今作では、積算温度とBS資材に着目することで、クリスマスシーズンに収穫のピークを持ってくることに成功しました。
1)積算温度
2番花の花芽分化が確認出来次第、ハウス内温度を少し高めに設定し、積算温度が早めに600度に到達するようにしました。これにより、開花から結実までの期間を約1週間短縮し、クリスマスに収量を増やすことができました。
2)BS資材
BS資材とは、作物に刺激を与え、活性を高める効果のある資材です。
・樹勢を安定化させるための「マリンインパクト」と「ファイトマジック」
・高温対策及びなり疲れ防止のための「花吹雪」
・根の発根を促進する「ネバル君」
これらの資材を9月から11月にかけて、農薬と併用しながら集中して散布しました。その結果、初期成育での樹勢の確保と花芽の促進につながりました。
BS資材に興味のある方は、ぜひ渡辺パイプにご相談ください。
・収量について

2024年の今作は目標6t/反のため、昨年より密植して栽培を行うことで栽培本数を増やしています。
より樹勢の確保をするため、イチゴがより光合成できる環境づくりに注力しました。
具体的に行ったことは、早朝から午前中にかけての急激な温度変化を緩やかにすることです。
急激な温度変化が起きると、葉の気孔が閉じでしまい、朝の光合成がうまく行われなくなってしまう恐れがあるからです。
その対策として、月に数回栽培ミーティングを行い、モニタリングデータを使って、温度や湿度をコントロールするために、換気装置・カーテン・暖房の最適な設定を議論しました。
これらの取り組みが、6t/反を達成できた要因の一つであると考えています。
また、今作より、新たに「べにたま」という品種を導入しました。
べにたまは、良好な食味を持ち、早生で収量性にも優れた市場出荷向け品種として育成されたものです。
この品種を栽培することで、クリスマス需要に合わせた生産を行い、出荷体制を強化しました。
■ 収支についての振り返り
・コストについて

今作の水道光熱費のうち、暖房に使用する重油が全体の約6割を占めています。
燃料費は、昨年に引き続き5~10%ほど高騰しており、今後もウクライナや中東情勢などの影響により、厳しい状況が続くことが予想されます。
イチゴ栽培には温度管理が重要であり、暖房を使わざるを得ないため、経済的な負担が大きくなっております。
そこで、げんき農場では、暖房を効率的に使用するため、ハウス内にダクトを設置しました。
ダクトを設置することで、温度を均一に保ち、より精度の高い栽培管理が可能となりました。
ハウス内の温度ムラにお悩みの方は、ダクトの設置をぜひご検討されてみてはいかがでしょうか。

・売上について

一般的に、規模拡大すれば出荷量が増える一方で、販売価格が下がる傾向があります。そこで、販売価格の低下を抑えるため農場の販売体制を見直し、整備を行いました。
結果として、大口への出荷を増やすことで、全体の販売単価は下がったものの、販売価格の見直しや直売所での高付加価値販売を行い、収益の安定化を図ることができました。
1)スーパーへの販売量の拡大
主要な販売先であるスーパー2社に対しては、完熟いちごの美味しさをしっかり訴求し、営業担当者や売場担当者と密に連携を取ることで、売場の確保と販売量の拡大につなげました。
2)PR強化による直売所の売り上げ向上
「ここがイチゴ農園である」と一目で分かるようにラッピングを施しました。
これは、地域住民に対する集客力をより向上させるためです。
特に、近隣の公園を訪れる人々の関心を引き、足を運んでもらえるよう公園の敷地内からでもイチゴのステッカーが見えるよう大きなものを張り付けています。
結果として、直売所への来店者の増加とそれに伴う口コミも広がり、直売所の売上も、前作と比べて売上は約1.6倍に増加し、粗利も大きく向上するという成果を得ることができました。
3)EC販売における販売先と商品構成の見直し
EC販売においては、販売手数料がかからない「ふるさと納税」に注力し、9月から予約販売を開始することで早期に売上を確保しました。また、商品構成の見直しを行い、直売所でも販売可能な商品を主力とすることで、作業効率の改善にもつながりました。

■ 今作についての総評
今作は、栽培技術の見直しと販売戦略の強化により、収量・収益ともに目標を上回る結果となりました。
皆さまにおかれましても、一度ご自身の営農活動を見直してみることで、新たな発見が得られ、より良い成果につながるかもしれません。
本内容が、今後の営農活動の一助となれば幸いです。
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【オンライン農場見学会in埼玉】げんき農場と共に学ぶ、イチゴ栽培の実践知識。 (youtube.com)
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