営農通信バックナンバー
- 2024.11.09
ミニトマト
【八街農場】設定例を紹介!理想的な温度管理で高品質を目指す (ミニトマト)
〇はじめに
10月下旬頃から一気に気温も下がり、日の入りも早くなってきました。
日射量が減少し、温度が下がってくるこの時期は、環境制御が本領発揮する時期です。
日中の換気、夜間の暖房機・保温カーテンの使用や、早朝の段階的加温等、
1日を通してトマトに最適な環境を作っていくことができます。
そこで、今回は厳寒期に向けたハウスの制御設定についてご紹介します。
〇制御設定
◆ 低日射期の理想的な制御
①
光合成産物の果実への転流を促進させる
そもそも転流とは?
光合成によって作られた同化産物が、葉(ソース)から果実、花、根などの各器官(シンク)へ送られることをいいます。
・光合成産物は高温部へ引き寄せられる
・転流はやや高温で促進される
・低夜温にさらされると光合成産物は根の方向へ転流されやすくなる
ということが明らかになっています。(吉岡, 1986)
上記をふまえた、1日の理想的な温度変化が以下の通りです。

(日の出 6:00頃、日の入り 17:00頃)
トマトの光合成適温は23℃~25℃とされています。
また、日の出の時点で15℃~17℃を確保し、
そこからゆっくりと光合成適温までハウス内温度を上昇させていくのが理想です。(ⅰ)
11時頃には温度をピークにもっていきます。
日射量が安定し、高温になる11時~15時には光合成と同時に転流も促します。(ⅱ)
15時以降は日射量が一気に減少します。
日没の30分ほど前にはクイックドロップと呼ばれる強換気を行っていきます。
これは、周りの空気がに冷やされることで、果実や花、根などの各器官の方が高温となり、
転流が促進されることを目的としています。
果実の肥大だけではなく根張りの促進、徒長防止となり、生殖生長に矯正されます。(ⅲ)
※極端なクイックドロップは、冷たく乾燥した空気が急激に入り込むことで、
生長点付近の伸長停滞やチップバーン等が起こる可能性があります。
適度な寒暖差に留めるようにしましょう。
日没後は暖房機を利用し、ハウス内の最低温度11℃を下回らないように注意しましょう。
② 早朝加温は1時間に2℃以内
日の出により急激な温度上昇にさらされると、
周りの温まった空気に対して果実や葉との極端な温度差により、表面が結露してしまいます。
トマトにとって果実が濡れてしまうのは病気の発生の元となり、良いことはありません。
早朝加温では結露の心配がないよう、1時間に2℃以内の変化に収まるよう、段階的な設定をしていきましょう。
①, ②をふまえたUTACE設定 ※こちらは八街農場の一例です。

↑暖房機

↑保温カーテン
〇おわりに
厳寒期に入ると日射量の減少により樹勢が落ち着いてきます。
少ない光合成産物を効率よく果実に転流させるため、
昼間と夜間の温度管理はしっかりと行い、安定した多収を目指していきましょう。
また近年、燃料価格の高騰で暖房にかかる経費が増えてきています。
今回ご紹介した設定例は一例です。ご自身の栽培方針や経営方針を加味しながら、
その地にあったオリジナルの環境制御設定を構築していきましょう。
◆UTACE(ウルトラエース)とは?
ハウス内機器の自動制御・遠隔制御と、栽培装置とも連動する灌水制御に加えて、
ハウス内機器のモニタリング機能まで備わった、高機能ビニールハウス用制御盤の決定版です。
3つのモデルがあり、ハウスの規模に応じて制御系統数を選ぶことができます。
商品ページ:https://www.sedia-green.co.jp/product/facility/utat.html
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